カレー屋の店長がウイスキーのことを書くブログ

主にウイスキーのことをよく知らない人向けの解説エントリをやっていきます。

ウイスキーの基礎知識〜五大生産地別の特徴編〜

どうもyuyaです。

 

普段はお酒とコーヒーが飲めるカレー屋さん

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の店長をしています。

 

今回は前回に引き続きウイスキーの基礎知識、五大生産地別の特徴について書きます。

 

前回のエントリをご覧になっていなくても別に大丈夫ですが、せっかくなのでリンクを貼っておきます。前回解説した内容は特に解説なしで行くので、今回の読んでちょっと何言ってるかわかんないです、という方は是非。

 

whiskylover.hatenablog.com

 

さて、五大生産地、と銘打ちましたが、そもそもウイスキーの五大生産地がどこか知っている方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。

 

いやほんと馬鹿にしているとかではなくて、普段からよくウイスキー飲む人でもけっこう知らない方が多いような気がしまして。

 

前回のエントリ同様、それぞれの特徴を押さえておくと好みのものに出会いやすくなるので、知っておいて損はないんじゃないかなと思います。

 

さて、前置きはこのくらいにして本題に参ります。

 

ウイスキーの五大生産地について

 

あまり引っ張ってもあれなので答え合わせをば。

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サントリーHP(https://www.suntory.co.jp/whisky/flight/about.html)より

上の画像の通り、五大生産地とは、

の五カ国です。

 

でそれぞれをジャパニーズウイスキー、スコッチウイスキーアイリッシュウイスキーアメリカンウイスキー(バーボン)、カナディアンウイスキーなんて呼んだりします。

 

スコッチとバーボンって聞いたことある方いらっしゃると思いますが、あれは生産地で分類した時の呼び方だったんですね。

 

基本的に穀物が原料、蒸留している、木樽で熟成させているという基本的な3点は変わりませんが、細かいところで生産地別の違いや特徴があります。

 

なお、スコットランドアイルランドの国旗が分からなかった人は、あとで職員室まで来るように。

 

それではそれぞれの特徴をざっと見ていきましょう。

 

ジャパニーズウイスキー

 

トップバッターは我らが日本です。ジャパニーズウイスキーはスコッチをお手本に作られたのが始まりで、その流れをくみながら独自の進化を遂げたのが特徴です。

 

日本人は改良とかガラパゴス化において実力を発揮するなんて言われがちですが、ウイスキーにおいてもそうなんですね。

 

「日本には四季があるから」と言われるほどに多彩な原酒が織りなす複雑な味わいのものが多く、それが世界的に評価され、WWAやISCといったコンテストで何度も世界一になっています。

 

WWAやISCはウイスキーのコンテストですが、某モンドセレクションみたいな胡散臭いものではなく、割と権威あるものなのでそこで評価されているのは本当にすごいです。

 

さらっと原酒という単語をぶっこみましたが、前回解説したモルトとグレーンを総称してこう呼びます。ちなみに、ブレンデッドじゃなくても基本的に複数の樽の原酒を混ぜて使ってウイスキーは作られていますが、日本のウイスキーはその原酒の種類が他の国に比べて多いのです。

 

日本に限らずどこの国もそうですが、蒸留所ごとに特徴があるので実は生産地別に特徴をまとめるのは難しいので、ほんとにざっとした特徴を挙げていきます。蒸留所のことまで書くとちょっとした論文みたいになるので、また別の機会に。

 

ジャパニーズウイスキーの特徴
  • 複雑かつ華やかな味わい
  • スモーキーさ*1の奥に繊細で上品な甘みを感じる
  • 最近値上がりがえぐい

 

スコッチウイスキー

 

ウイスキーといえばスコッチ、と言われるほど名実ともにウイスキーの代表格。

 

全世界においてウイスキーのシェアの6割から7割を占めていることからもスコッチはウイスキー界における王様と言えます。

 

ちなみに世界で一番売れているのは、ジョニーウォーカーというスコッチです。*2

 

そんなスコッチは個性豊かウイスキーが勢揃い。ふわりと甘いものからガツンとパンチの強いものまで、特にシングルモルトはその傾向が強く、蒸留所ごとに個性がばらばらです。

 

なおスコッチにおけるシングルモルトとは、単一の蒸留所で作られたモルトウイスキーを瓶詰めしたものを指します。*3

 
スコッチウイスキーの特徴
  • 世界シェアナンバーワン
  • スコッチ特有のスモーキーな香り
  • 荒々しいものから優しいものまで幅広い味わい

 

アイリッシュウイスキー

 

スコットランドのお隣、アイルランドで作られるウイスキーはスコッチほど癖が強くなく、スッキリした味わいのものが多いです。

 

ウイスキーを作り出したのはアイルランドが最初とされていますが、紆余曲折を経て今は少し影が薄め。五大生産地の一つではありますが、数年前まで4つの蒸留所しかありませんでした。

 

ただ最近復活の兆しを見せていて、蒸留所の数も40を超え、じわじわと人気が出てきています。

 

アイリッシュウイスキーの特徴
  • 単式蒸留を3回行う
  • ライトな味わいで飲みやすい
  • アイリッシュ特有のオイリー感

 

アメリカンウイスキー

 

アメリカは広大な領土の中で様々なウイスキーが作られていますが、特にバーボンが有名です。

 

バーボンはスコッチなどとは異なり主原料が大麦ではなく、トウモロコシやライ麦などの穀物を51%以上使用したもの、とされています。また、熟成期間も他の国に比べると短いのも特徴です。

 

味わいも大きく異なり、バーボンはウイスキーではないなんて過激なことを言う人もいたりします。

 

ちなみにバーボンの一種ジムビームを作っていたビーム社が、2014年に日本のサントリーに買収されました。サントリーウイスキーを作っているので、結構世界で大きなニュースとして取り上げられました。

 

また、ジャックダニエルと言うウイスキーがありますが、あれは厳密に言うとバーボンではなくテネシーウイスキーという種類になりますが、詳しいことはまた今度。

 

アメリカンウイスキーの特徴
  • バーボンが有名
  • 荒々しく男らしい味わい
  • 基本的にブレンデッドがメイン

 

カナディアンウイスキー

 

五大生産地の中で最もライトな味わい。カクテルの材料として使われることが多いというか、これ単体で飲んでいる人を見たことがないです。

 

味も香りも癖がなく、価格も安いので、初心者におすすめと言われることもありますが……まあ、個人の好みは人それぞれですから。

 

アメリカの禁酒法時代に愛飲されたことから、いまだにアメリカにおいて人気があります。

 

カナディアンウイスキーの特徴
  • 五大生産地の中で最もライトな酒質
  • カクテルベースとして活躍
  • 日本では流通量が少ない

 

 

とまあ、ほんとにざっくりとした解説エントリでした。

ジャパニーズとスコッチはもう少し掘り下げたいので、別途解説していこうと思います。

 

アメリカンというかバーボンはあまり好みではないので、そこまで詳しくはないのですが、テネシーウイスキーの解説もあるから一応これも別途やります。

 

アイリッシュは3種類、カナディアンに至っては1種類しか飲んだことないのでこれ以上書けません。いや歴史とかは調べれば書けるけど、そんなもん需要もないので書きません。

 

だいぶ個人の趣味が出てきましたが、あくまでウイスキーよくわからんという人向けに書いてますし、こんなところで。

 

次回はジャパニーズウイスキーの詳細やおすすめの銘柄などをやっていきます。

*1:燻製のような香り、ウイスキーの香りを表現するときによく使います

*2:厳密にいうと世界で一番売れているのはインドのウイスキーなのですが、ほとんどが国内で消費され、世界に出回っていないことからインドのウイスキーは除外しています。なぜインド?と思われるかもしれませんが、イギリスの植民地時代にウイスキーを飲む習慣が根付いたとされています。

*3:ここでわざわざ”スコッチにおける”という言い方をしているのは国によって意味合いが異なり、ウイスキー警察の目をかいくぐるためです。とはいえ基本的にシングルモルトと言えば単一蒸留所のモルトを瓶詰めしたものという認識で問題なく、そんな細かいことをいう奴は友達がいない。